漁師としての津田宇水産
漁師|津田宇水産
美空ひばりがデビューした年、昭和23年に、津田宇水産の前身である「津田宇網」は、瀬戸内の東端、室津で網元漁師として創業しました。創業当時は船を進めるエンジンもまだなく、魚船は手で漕いでいました。船頭たちが赤と白の手旗信号を頭高く掲げ兄妹船との連携をとりながら津田宇網が3周したのちに出航していく出漁の景色は、当時の地域のみんなが楽しみにしていた今はなき地域の風物詩です。
室津は津田宇が代々受け継いだ貴重な海域です。「今があるのは昔があるから」、と日夜感じる場面があり、時代がどれだけ変わってもそういう当たり前の伝統と自然の力をとても重く受け止めています。津田宇水産の事務所入り口には、創業当時の昔の白黒写真が今でも大事に飾られているのも、そうした緊張感と感謝の表れです。
津田宇水産の春はいかなごや鰆、夏はしらす、秋は鰯などの伝統的な漁に加え、近年では生食できる安全でおいしい牡蠣や播州サーモンの養殖事業にも参入し、1年を通して新鮮な魚を獲って世界中に提供しています。
漁師の目利き|新鮮であること以上に重要なこと
~海のプロとしてのコダワリ~
漁師であるわたしたちは自分たちの海を知り尽くした「海のプロ」だと自負しています。自分たちの海に合った新鮮な生牡蠣を育て、しらすなどを漁獲しています。その傍ら、海外高級店からのお引き合いも多いため冷凍技術にも力を入れています。わたしたちは「漁+養殖+急速冷凍加工+販売」という複数のプロセスを自社で実施しており、そのすべてを自社で保有している津田宇水産は、特に日本ではめずらしい存在だと言えます。
社内ですべてを完結するプロセスを構築することは容易ではないものの、そこには明確なメリットがあります。結論から言えば、TSUDAUブランドの食材は、「解凍したあとの最終品質」にまで「海のプロ」である網元が目を光らせています。食材のセリ、加工、流通、保存、小売など、通常ではそれぞれの過程で多くの会社が関わりますが、「商品」であるまえに「食材」であることを重視したいわたしたち漁師自身は、船の上から食卓までのすべての過程に直接関わりたいという思いがあります。
獲ったばかりの牡蠣やサーモン、シラスが「新鮮」であることは間違いありません。その鮮度を保つために津田宇水産は日進月歩する捕獲技術、養殖技術や冷凍技術を学ぶよう日夜努力しています。そのうえで、食材に合った最適な加工をすることで、食材が持つ美味しさを落とすことなく、出来るだけ良い状態のままで世界中に届けることが私たちの海の恵みにたいする感謝のかたちです。新鮮であること以上に重要なことは、海のプロが太鼓判を押すことだと思っています。「この魚はいい」と網元が断言できる「目利き」をしたものを選別し、生食でお届けしたり、必要に応じて冷凍し販売しています。
上でも触れたとおり、津田宇水産は冷凍についても生食と同じくらいのコダワリがあります。単純に「美味しい食材を急速冷凍すればよい」とわたしたちは考えてはいません。最も大事なことは「解凍したときにも網元が納得する美味しさが保てる冷凍技術は何か」を長年研究し、吟味し、導入していることです。
海のプロである網元が納得する最高の鮮度と最高の品質こそTSUDAUブランドの真骨頂です。そのためにも食材や加工の本質を深く理解し考えるようにしています。最先端技術の有効性やと伝統技術の利点を上手に融合させるも網元・津田宇水産だからできることなのかもしれません。その結果として世界中で愛される唯一無二の商品を提供することができており、美味しかったというみなさんのSNS投稿を目にするたび、とても嬉しい気持ちになります。
相手は生き物ですから良い食材もあれば、養殖でも天然でも良くない食材もあります。良いと思わない食材は、選別や目利きの段階ではじきます。それは「プロの目」で対処する以外に今のところ良い手法はありません。
拠点|(船着場)(レストラン、直売所)
津田宇水産には2つの拠点があります。「本社事務所兼船着場」と、「津田宇水産レストラン」です。どちらも同じ兵庫県たつの市御津町室津にあり、レストランでは船着場で漁師が目利きした最高品質の食材を提供しています。レストランには直売所が併設されていて全国発送にも対応していますので、是非ご来店いただき漁師もうなるお食事とともに楽しんで頂ければ嬉しいです。
<本社事務所 兼 船着場>
TEL 079-324-0907 FAX 079-324-0230
住所 〒671-1332 兵庫県たつの市御津町室津1316-1
<津田宇水産(レストラン・直売所・通販相談)>
TEL 079-324-0918 FAX 079-324-0990
住所 〒671-1332 兵庫県たつの市御津町室津850